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ワードプレス専用サーバー

サイト作成はワードプレス(WordPress)を使うのが常識化しつつあります。実際、世界のウェブサイトの半数以上がワードプレスのサイトだと言われています。しかし、ワードプレスでネックになるのは、表示が遅いということです。これは動的サイトの宿命です。

どれぐらい遅いかというと、たとえば、パソコンで見た場合、静的サイトだと0.2秒で表示されるようなものが、動的サイトだと、0.8秒ぐらいかかったりします。約4倍時間がかかっていますよね。一方、スマホで見た場合、静的サイトなら0.8秒で表示されるようなものが、動的サイトでは3.6秒かかったりします。やはり約4倍かかっています。

スマホの普及がワードプレスの高速表示化の必要性を高めた

パソコンでの表示はともかく、スマホでの表示が特に問題ですね。3秒以上かかると、離脱する人が半数ぐらいいるというデータがあるので、深刻です。とりわけ、最近、スマホでホームページやブログを読む人が激増し、すでに70%ぐらいのアクセスがスマホと言われていますから、表示速度を上げることが重要になってきたわけです。

もしパソコンでアクセスする人が大半だったら、ワードプレスのサイトの表示速度を上げる必要性は、それほど高まらなかったのではないかと思います。しかも、インターネットが普及してモバイル通信環境が悪化して、回線速度が遅くなっていることも一因でしょう。

みんなでスマホでオンラインゲームをやるからです(笑)。

アクセス獲得の競争が激化

他にも、ホームページやブログの激増により、訪問者の取り合い、つまりアクセス獲得の競争が激化し、積極的な対応をしないと、アクセスが全く得られない時代になったことも、ワードプレスを高速化する必要性を高めたと思います。

ホームページやブログを作れば、自動的にアクセスが集まった時代は、2015年頃までに完全に終わりました。最近では、何をやっても、ろくにアクセスが集まらず、ホームページやブログが閉鎖されたり、更新されずに放置されていることが多くなりました。膨大なアクセスがあっても、1か月でアクセスがほとんどゼロになってしまうケースもあるようです。

表示速度が検索順位を決める要因になった

そんな中、決定的だったのは、Googleが、検索順位を決める上で、サイトの表示速度を考慮に入れると発表したことです。今の時代は、「検索順位=アクセスの量」ですから、これはインパクトが大きかったです。一挙に高速サーバーが脚光を浴びることになりました。

「ホームページは、存在すればよい」というのはもはや過去の話で、今は、高速表示されなくては意味がないと言うことになりました。だから、ワードプレスのテーマも高速表示タイプが人気となり、高速表示のためのキャッシュ・プラグインの使用が推奨されるようになりました。昔は、キャッシュ・プラグインなどを使うと、トラブルが多いため、よほどサイトが重くならないと使いませんでしたが、今は、どんなサイトでも積極的に使うようになっています。キャッシュ・プラグインなんて、使わずにすむなら、その方が絶対にいいのですが、時代の流れですね。背に腹はかえられないというわけです。

WordPress専用の超高速サーバー

そういう背景で出てきたのがWordPress専用の高速サーバーです。2013年のwpXが最初だったのではないかと思います。現在、主要なサービスとしては、全部で四つあります。

wpX Speed

国内最速を謳うのが、wpX Speed です。wpX Speed は昔から高速サーバーで有名なエックスサーバーが運営していたサービスです。2023年にエックスサーバーが分社化した関係で、現在は、エックスサーバーの子会社が運営しているようです。そういう意味で、運営する会社としては信頼性が高いですね。

正直、価格が結構ネックです。と言うのも、一番安いプランは、1時間2円と謳っていますが、実のところ、1か月1200円(税抜き)です。なぜ「月1200円(税抜き)」と表示しないのか謎です。絶対に1200円以下にはならないと思うのですが、もしダウンタイムがあったら、その分、値引きしてくれるという意味でしょうか?

転送量を元に課金すると言うレンタルサーバーはありますが、そちらの方がむしろわかりやすいですね。私はそういうレンタルサーバーも借りていますが、人が来るとお金がかかるので、更新する気がまるで起きず、ずっと何年間もそのままの状態になっています(笑)。

カゴヤのWordPress専用サーバーとCOREPRESS Cloud

価格帯をもう少し下げると、カゴヤのWordPress専用サーバーとCOREPRESS Cloudの二つがあります。カゴヤは独自にデータセンターを持っている資金力のある会社で、老舗のレンタルサーバー屋さんです。このカゴヤのWordPress専用サーバーは、Kusanagiと言う仮想サーバーを使っていて、とても速いです。

一方、COREPRESS Cloudは、GMOデジロックが運営するサービスです。GMOデジロックは、レンタルサーバー業界に価格革命をもたらしたデジロックをGMOが買収し、社名をGMOデジロックに変更するという経緯で今日に至った会社です。社長はまだデジロックのままですが、GMOの影響でいろいろ変わりました。

デジロックは、サポートが皆無と言われるぐらいにひどかったのですが、GMOのグループ企業になってから、徐々に改善してきています。サポートの対応も当日または翌日までに行われるようになった他、簡単なことならチャットによるサポートで迅速に解決されるようになりました。昔は、「1か月たっても直らなかったら、また連絡を下さい。」のような恐るべきサポート体制だったのがうそみたいです。

そんなGMOデジロックのWordPress専用サーバーを利用するメリットは何かと言うと、値段の割にサーバーのスペックがよいと言うことでしょう。ここは全部そうなので、自分でだいたい何でもやれるのなら、お勧めです。逆に、初心者には、ちょっとハードルが高いかもしれません。とはいえ、まあ、努力次第ですね。初心者でも不可能ではありません。

気をつけないといけないのは、カゴヤのWordPress専用サーバーとCOREPRESS Cloudでは.htaccessが使えないことです。もし.htaccessを使いたいのなら、wpX Speedを選ぶしかありません。なお、wpX Speedは.htaccessの一部のディレクティブに使用制限がかけられているとマニュアルにありますが(2020年1月15日現在)、実際には、全く制限がかけられていませんので、大丈夫です。

.htaccessは、上級者向けの機能ですので、初心者はあまり気にしなくていいです。サポート・スタッフでも.htaccessのディレクティブがまともに書けない人はたくさんいます。初心者にはまず無理です。もし向上心が高く、どんどんいろんなことを覚えたいという人は、.htaccessの使えるサーバーを選ぶのがいいと思います。よほど難しいことをやるのでなければ、.htaccessはそれほど難しくはありません。

なお、私のような上級ユーザーの場合、.htaccessの使えないサーバーなんて、論外です。